受験生にとって、塾での総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜対策は必要か?
総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜を受ける際に、専門塾に通うべきかどうか頭を悩ます受験生やその保護者は少なくありません。学校推薦型選抜なら、かろうじて志望理由書のチェックや面接の練習などを行う高校もありますが、一般的には高校が総合型選抜対策を行うことはほとんどなく、また自力で対策する自信もない受験生が大半です。
そんな受験生のために、総合型・学校推薦型選抜の専門塾や、コースを設置している大手の塾や予備校は急増しています。
この記事では、個人経営の学習塾が総合型・学校推薦型選抜の指導を行うメリットや、総合型・学校推薦型選抜対策コースの設置方法についてまとめました。
令和5年度入試の概要
文科省は2023年11月、「令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」を発表しました。
入学志願者数は、国立大が35万8,585人(前年比3,547人減)、公立大が15万5,568人(前年比280人増)、私立大が376万4,946人(前年比11万7,312人減)、合計すると427万9,099人となり、前年比で12万579人と大きく減少しました。18歳人口の減少がよくわかる数字です。
志願倍率は国立大が3.8倍(前年比同)、公立大が4.7倍(前年比0.1減)、私立大が7.6倍(前年比0.3減)で、合計すると6.9倍となり、前年より0.2減少しました。
次に、総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜(旧推薦入試)・一般選抜(一般入試)の各状況を詳しく見てみましょう。
かっこ内の数は昨年比で、増が赤色、減は青色、同は黄色で記しています。
総合型選抜の状況
大学区分 | 実施大学 | 実施学部 | 入学者 |
国立 | 64大学(同) | 247学部(4学部増) | 5,744人(305人増) |
公立 | 40大学(2校増) | 81学部(5学部増) | 1,445人(151人増) |
私立 | 558大学(8校増) | 1,773学部(65学部増) | 85,204人(7,029人増) |
国立大の実施大学数は変わらなかったものの、実施学部は増加。それ以外の実施校数・学部・入学者数のすべてにおいても、前年度より増加しています。
学校推薦型選抜の状況
大学区分 | 実施大学 | 実施学部 | 入学者 |
国立 | 77大学(同) | 285学部(6学部増) | 12,015人(565人増) |
公立 | 95大学(1校増) | 205学部(3学部増) | 9,083人(260人増) |
私立 | 602大学(2校増) | 1,939学部(46学部増) | 203,375人(3,809人減) |
国公立大では入学者が増えましたが、私立大では減少に転じました。
一般選抜の状況
大学区分 | 募集人員 | 入学志望者 | 入学者 |
国立 | 76,225人(284人減) | 310,595人(5,527人減) | 79,766人(476人減) |
公立 | 22,825人(294人増) | 129,803人(452人減) | 24,235人(347人増) |
私立 | 264,080人(4,187人減) | 3,083,523人(144,596人減) | 195,049人(9040人減) |
公立大では募集人員が増えたため入学者が増えましたが、志願者数自体は減少。国立大と私立大は、募集人員・志願者数・入学者数ともに減少。特に私立大では14万人以上も少なくなるなど、一般選抜離れが顕著に見て取れました。
総合型選抜の拡大傾向は今後も続く可能性
文科省の「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」では、大学入試全体での一般選抜の割合49.7%に対して、学校推薦型選抜31.0%、総合型選抜19.3%となっており、初めて全体の5割を超えたことが明らかになりました。
学力のみで大学合格を目指す一般選抜よりも、面接や小論文など、人間性も問われる総合型・学校推薦型の選抜入試の方が、メジャーになっているのです。
ここ数年、学校推薦型は若干の増減はあるものの、おおむね同程度で推移しています。総合型選抜は一貫して増加し続けており、10年前の2013年度と比較してみると、9.4%増と急増していることが一目瞭然です(下図参照)。対して、一般選抜は減少し続けています。
入試別大学入学者の割合
この現象を紐解いてみましょう。
人口減少に伴い、多くの大学では学生を早期に確保しておきたいという思惑が働いています。また、進路を早く決めたい受験生側にとっても、年内で合否が決まる総合型選抜は魅力的です。こうして双方の心理が合致することで、総合型選抜が拡大したと考えられます。
また、早稲田大学・慶應義塾大学の推薦選抜枠も拡大しており、推薦選抜が一般選抜を超えています。国公立大学の積極的な推薦選抜の導入など、最上位大学はもはや推薦選抜抜きでは入試が語れなくなっているのです。
この傾向は、大きな入試制度改革が起きたり、少子化が止まることのない限り、今後も続いていく可能性が高いでしょう。
一般選抜と総合型選抜の両立が主流に
総合型選抜は専願が原則ですが、一般選抜であれば併願することも可能です。総合型選抜で志望大学に不合格になってしまった場合でも、一般選抜で再チャレンジすることができるので、併願は受験生にとって大きなメリットとなります。よって、一般選抜対策と総合型選抜対策の両立する受験生は増えていくと考えられます。
総合型選抜は大学が求める学生像と受験生のマッチングが重視されるため、必ずしも高い学力が求められるわけではありません。しかしながら、志望理由書・小論文・面接などから、受験生の「能力」が見極められます。同じ大学・学部でも一般選抜と総合型選抜とは試験内容が全く異なるため、それぞれの対策をしっかりと行っていく必要があることは言うまでもありません。
そこで、学習塾が通常の授業運営に集中しつつ、総合型選抜まで指導の幅を広げられれば、一般選抜と総合型選抜の両立を目指す受験生にとってこの上ない味方となります。
学習塾が総合型選抜対策の指導を行うメリット
大学受験では、長らく一般選抜が主流であったことから、高校では基本的に総合型選抜に特化した指導は行っていません。生徒に個人的に質問されれば答えはしますが、授業やカリキュラムを組んでいる高校はほとんどなく、受験生は専門塾に通うか、独学で対策をしているのが実情です。
学習塾が、そんな受験生の受け皿となることで、高校生の集客や他塾との差別化になりえます。高校1・2年生に、併願を前提に早いうちから受験計画を立てることを勧められれば、一般選抜と総合型選抜の両立を目指す受験生の囲い込みにもなります。総合型選抜対策は、受験生にとって課題であると同時に、学習塾にとっても取り組む価値のある分野なのです。
学習塾が総合型選抜対策を行う主なメリットとは、以下の3点です。
- 高校生の集客が強化できる
- 他塾との差別化になる
- 合格実績が増やせる
以下、詳しく説明していきます。
1. 高校生の集客が強化できる
総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜を受ける際に、専門塾に通うべきかどうか頭を悩ます受験生やその保護者は多いです。大学受験では、長らく一般選抜が主流であったことから、高校では基本的に推薦選抜に特化した指導は行っていません。生徒に個人的に質問されれば答えはしますが、授業やカリキュラムを組んでいる高校はほとんどないのが実情です。
受験生は専門塾に通うか、塾や予備校の推薦対策コースを受講するか、独学で対策をするかの三択を迫られますが、独学で学ぶ自信のある生徒はごくわずか。生徒が受験学年になったところで大手に流出、などの機会損失が生まれてしまいます。学習塾が、「専門塾が近場にない」「現在通っている塾で対策がしたい」という受験生のニーズを満たすことで、高校生の集客が見込めます。
2. 他塾との差別化になる
大手の学習塾や予備校では、総合型選抜対策コースを設けている場合がほとんどです。一方、個人で経営している学習塾だと、総合型選抜対策まで手が回らないところも少なくありません。だからこそ、個人塾が総合型選抜対策の指導を充実させることで、他塾との差別化につながります。
3. 合格実績が増やせる
前述の通り、23年度入試では大学入試全体での一般選抜の割合49.7%に対して、学校推薦型選抜31.0%、総合型選抜19.3%と、全体の5割を超えました。今後も推薦選抜での合格者は増加が予想されるので、学習塾で総合型・学校推薦型選抜対策を行うことで、合格実績を増やすことが可能になります。
学習塾の「総合型・学校推薦型選抜対策」指導上の課題
大学入試は、現在の大人世代とは入試内容も選抜方法も大きく異なることを念頭に、学習塾も指導内容や方法を変化させていく必要や、そのメリットもあることがわかりました。実際、総合型・学校推薦型選抜対策を始めたいという学習塾は増えています。では、始めるにあたって何が課題となるのでしょうか。
学習塾が総合型・学校推薦型選抜対策を始める上での課題は、以下の3点です。
- 特殊な指導内容
- 人材とコスト
- 指導ノウハウと実績
以下、詳しく説明していきます。
1. 特殊な指導内容
志望理由書・小論文・面接と多岐にわたる総合型選抜の指導は、従来の学習塾が得意とする学力指導とは全く異なります。
2. 人材とコスト
新しくコースが増えるということは、単純に考えてそれだけ人材コストがかかるということです。また、総合型・学校推薦型選抜対策指導を行える人材は、多くありません。いたとしても、どうしても属人的になるため、指導が特定の講師に集中し、負担増となってしまいます。
3. 指導ノウハウと実績
専門的な指導が必要である総合型・学校推薦型選抜対策には、相応のノウハウが必要になります。また、実績がないと、保護者や受験生から総合型選抜対策について問われたときに強く押し出せません。
一般選抜と総合型選抜を併願する受験生が増える中、塾が従来通りの学力指導を行っているだけでは、併願を希望する層を逃してしまう可能性があり、大きな損失です。
では、課題解決のためにはどうすればいいのでしょうか? お勧めしたいのが、総合型選抜対策に特化した映像講座の導入です。
既存の映像講座を導入することで、人材コストをかけずに総合型・推薦型選抜対策という新コースを設置することができます。総合型・学校推薦型選抜の知識や指導ノウハウに自信なくても、映像講座がすべてを担ってくれるため、個人で学習塾を運営している方に最適な方法と言えます。
「城南推薦塾」監修の「推薦対策映像講座」を導入するメリット
当社が運営する総合型・学校推薦型選抜専門の「城南推薦塾(旧 城南AO推薦塾)」は、2015年の開塾以来、毎年多くの生徒を難関大学へと導いてきました。その「城南推薦塾」が監修する「推薦対策映像講座」は、全9講の映像授業とそれに対応したワークシートから成る映像講座です。オプションで、小論文のWEB添削指導やガイダンスの追加も可能です。推薦指導の専門家がいない学習塾でも、本講座を導入することで質の高い総合型・学校推薦型選抜対策が可能になります。
総合型・学校推薦型選抜の映像講座を導入するメリットは、主に下記4点です。
- 新たな人材の採用が不要
- 講師の負担が少ない
- 小論文や志望理由書の添削指導
- 導入後のサポート
以下、詳しく説明していきます。
1、新たな人材の採用が不要
「推薦対策映像講座」を導入することで、講師が総合型・学校推薦型選抜の指導ノウハウや知見を持たずとも、指導が可能になります。本講座は全9講の映像授業とそれに対応したワークシートで構成されています。「城南推薦塾」オリジナルのワークシートは、情報収集からフィールドワークまでやるべきことを順序立てて視覚化できるようになっており、映像授業と併せて取り組むことで相乗効果が上がります。講師と生徒の情報共有や進捗確認もしやすくなります。
2、講師の負担が少ない
映像授業なので講師が授業を行う必要はなく、業務負担を大幅に削減できます。本講座は、合格のポイントと情報収集の方法を分かりやすく解説し、生徒がワークシートを使って自ら情報収集を行える仕様になっています。集められた情報をもとにご指導いただければ、スムーズに合格へ導くことができます。また、生徒と一緒に映像授業を視聴することで、推薦入試に対する理解が深まり、指導がしやすくなるという利点もあります。
3、小論文や志望理由書の添削指導
基礎編・実践編からなる映像授業の小論文対策講座も用意。入試小論文の概要や文章構成のレクチャー後、問題演習に挑戦します。志望理由書のWEB添削指導も行っており、合格ラインに達するまで繰り返し指導します。
4、導入後のサポート
導入して間もないうちは、指導上のお悩みや困りごとが出てくるものです。学習塾運営のノウハウを豊富に持つ当社の担当者が、きちんとフォローいたします。
【導入事例】青葉学院
神奈川県横浜市にある地域密着塾「青葉学院」は、2023年より「推薦対策映像講座」を導入しています。代表の中村明雄様に、お話を伺いました。
Q1.『推薦対策映像講座』を導入したことで、最も役に立ったことは何ですか?
今までも、推薦入試のポイントについて指導はしていたものの、「整理して伝える」という部分では不十分だったため、映像授業でわかりやすく整理できた点は助かりました。
また、生徒は映像とワークシートに沿って情報収集や出願書類の作成を進めます。こちらがあれこれと口を出したり、考えたりせずに済んだので、とても楽でした。
志望理由書の添削は、今まで私一人で行っていましたが、他の先生方の添削を拝見することで参考になる部分も多く、それが生徒の志望理由書にうまく反映できたことも意外な収穫でした。
Q2. 保護者からの評判はどうでしたか?
導入初年度だったので、相場より安価の3ヶ月10万円強で設定しました。すると、保護者様からは、「安すぎませんか?」「この金額ならもっと宣伝した方がいいです!」との声が多かったです。そう思っていただけたのは、生徒が映像講座を受講しに毎日のように塾に来ていたこと、資料収集のために図書館などに足を運んでいたことを見ていて、「我が子が推薦対策に前向きに取り組んでいる」という印象を強く持たれたからだと分析しています。
また、指導期間中は保護者様と対面やLINEで進捗状況を共有し、「しっかりと面倒を見ていますよ!」という点もアピールしました。
【まとめ】受験生にとって塾での総合型選抜対策は必要
下記の理由から、受験生にとって、塾での総合型選抜(旧AO入試)対策は必要です。
- 一般的には高校が総合型選抜対策を行うことはほとんどなく、また自力で対策する自信もない受験生が多いこと。
- 総合型選抜は専願が原則だが、一般選抜であれば併願も可能であり、一般選抜対策と総合型選抜対策の両立がお勧めであること。
- 同じ大学・学部でも一般選抜と総合型選抜とは試験内容が全く異なるため、それぞれの対策をしっかりと行っていく必要があること。
学習塾が通常の授業運営に集中しつつ、総合型選抜まで指導の幅を広げられれば、一般選抜と総合型選抜の両立を目指す受験生にとってこの上ない味方となります。
ぜひ、「城南推薦塾」監修の「推薦映像対策講座」で、貴塾でも総合型・学校推薦型選抜対策を始めてみてください。
「城南推薦塾」監修「推薦対策映像講座」案内PDFはコチラ
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