食事対策①朝食編「朝食を食べれば頭はよくなる」
飢餓状態がもたらす学習能力の低下
「食欲がない」「時間がない」という理由で朝食を抜いてしまう人は、受験生に限らず多くいます。例えば前日 21 時に夕食を食べたとして、翌朝7時に朝食を食べるとすると、その間約10時間。昼食まで食事をしないとなると、15時間飢餓状態が続くことになります。
人間の体は、飢餓状態に陥ると脳・神経 系、筋力、腎臓などブドウ糖を主たるエネルギー源とする器官へのエネルギー供給を低下させるので、思考力・集中力・持続力の低下を招き、学習能力が著しく低下します。15 時間絶食のまま勉強を開始することは、とても非効率なのです。それを裏づけるように、“朝ごはんを毎日きちんと食べる人ほどテストの正答率が高い”という調査データもあります。朝食こそ、脳のエネルギー源であるブドウ糖をしっかり補いましょう。
最強の朝食は“お米”
そこでおすすめなのが“お米”。ご飯はゆっくりと消化吸収され、血糖値の上昇もゆるやかなため、脳にとても良い影響をもたらします。食欲がない生徒には、前日の夕食の時間を見直したり、目覚めてから30分後に朝食時間をおくよう提案してみてください。そんなに時間がとれない生徒や朝食の準備が面倒という生徒には、パンやヨーグルト、バナナ1本でも構いません。グラノーラも手軽でいいですね。まずは、“朝に食べ物を口にする”ことから始めるようにしましょう。
これも健康維持のために重要なのですが、起床後はまず、白湯をコップ 1 杯飲むようにしてください。体温が上がり胃腸が目覚めます。
「城南医志塾」顧問医師
医師・医学博士・経営学修士(MD・Ph.D・MBA)
裵 英洙 (はい えいしゅ)
1972年奈良県生まれ。かつては外科医として胸部手術を中心とした診療に従事。現在は「ハイズ株式会社」代表取締役として勤務する傍ら、臨床医として医療現場に携わる。著書に「なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか」「医療職が部下を持ったら読む本」など多数。