脳科学コラム

人の気持ちを理解し思いやる! 共感力のある子はこう育てる

 

親ならだれもが、「わが子には人の気持ちが理解でき、思いやれる子に育ってほしい」と願うでしょう。「思いやりのある子」というのは、まさに「共感力のある子」のことです。この能力は、「ミラー・ニューロン」を鍛えることで、赤ちゃんの時からトレーニングができます。ミラー・ニューロンとは、見たものをまねすることを司る神経細胞で、「モノマネ脳」「共感脳」とも呼ばれています。

見よう見まねは、行動や言葉の学習、さらには人の気持ちの理解にまで関係しています。他人の表情を見て、その人が今何を思ったり感じたりしているかは、ミラー・ニューロンが働いてわかる―つまり、脳内で相手の表情をまねすることで、「こういう気持ちなんだな」と相手と同じ感情を抱いているのです。

赤ちゃんのミラー・ニューロンを鍛えるには、「顔まね」が効果的です。満面の笑顔や大きく口を開けた顔など、特定の表情をしながらそのまま30秒ほど顔を見せて、赤ちゃんの名前を呼びましょう。赤ちゃんが顔まねを始めるようになったら、手を目の前でグーパーしたりしましょう。すると、赤ちゃんも同じようにまねをするはずです。うまくできたら、大げさにほめて赤ちゃんを喜ばせてあげてください。

最近では「KY」といって空気の読めない人も増えていますが、空気を読み、他者に共感することは、社会生活を送るうえで大変重要な能力です。また、共感は子育てで大切なことのひとつ。親が子どもに共感してあげられるほど、子どもは安心して育ちます。

 

くぼたのうけん顧問

久保田 競 (くぼた きそう)

1932年大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士、脳科学者。東京大学医学部・同大大学院卒業。京都大教授、同研究所所長を歴任。2011年春、瑞宝中綬章を受賞。40年以上前から赤ちゃん育脳の意義を唱え続け、妻カヨ子氏とともに久保田式育児法を考案。「脳の発達に応じた教育」をいち早く提案している。

くぼたのうけん顧問 久保田 競(くぼた きそう)

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