算数コラム

11の倍数の見分け方

小学4年生以降は、概数や素数・倍数・約数など、新しい数の概念を習いますね。

倍数かどうかを一目で見分けられると、「分数」や「場合の数」などの問題がラクに解けるようになります。

今回は、わかると面白い「11の倍数」について、探っていきますよ。

11の倍数の見分け方(3桁の数字)

11の倍数は、2けたまではカンタンに見分けられますが、それ以上は意外にわかりにくいですね。

まずは3桁の数字で見ていきましょう。

「209」は11の倍数です。それを証明していきます。

100の位の数と1の位の数を足して2+9=11

10の位は0 なので、差は11になりました。

2つの数の差が11だと、11の倍数になるのですね。

11の倍数の見分け方(4桁の数字)

次は4桁。

「1001」は11の倍数です。それを証明していきます。

100の位の数と1の位の数を足して0+1=1

1000の位の数と10の位の数を足して1+0=1 差が0になりました。

2つの差が0でも、11の倍数になるのです。

要は、ある数の位を交互に足した2数の差が「11の倍数」か「0」なら、11の倍数であるということです。

ですから「5346」も「1221」も「9152」も、全て11の倍数です。

11の倍数の見分け方(5桁の数字)

5桁も同様の考え方です。

「95194」は11の倍数かどうか、調べてみましょう。

まず、各桁の数字を一の位から交互に足して、それぞれの和を求めます。

95194 = 9 5 1 9 4
9+1+4=14
5+9=14

2つの差を求めます。

14-14=0

2つの数の差が0なので、95194は11の倍数とわかります。

11の倍数の見分け方(7桁以上の数字)

あまりに大きな桁数の場合、交互だと計算が面倒くさい。

7桁以上の数字の場合、一の位から3つずつに区切って3桁の数字に分けても求められます。

実際にやってみましょう。
「868619752」は、11の倍数かを見分けます。

一の位から3つずつにくぎって3けたの数字にわけます。
868619752=868 619 752

ひとつ飛ばしで足してそれぞれの和を求めます。
868+752=1620
619

1620-619=1001

1001は、11の倍数でしたよね?

なので、868619752は11の倍数とわかります。

まとめ

11の倍数の見分け方には、ある数の位を交互に足した2数の差が「11の倍数」か「0」なら、11の倍数であるという法則があります。

7桁以上の数字の場合、一の位から3つずつに区切って3桁の数字に分けても求められます。

「11」以外の数字にも、倍数の見分け方はもちろんありますので、子どもと調べてみてくださいね。

「なぜこのような法則が成り立つのか」理由を納得するまで考えてみることで、算数の面白さがわかってきますよ。

りんご塾代表

田邊 亨 (たなべ とおる)

滋賀県出身。ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、「りんご塾」として算数オリンピックに参戦し、毎年多数の受賞者を輩出している。長年の指導経験から、算数の早期教育の重要性や、算数好きな子どもを育てる家庭のあり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

りんご塾代表 田邊 亨(たなべ とおる)

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