算数コラム

回文数の不思議な性質

「回文」とは、「竹やぶ焼けた」「新聞紙」のように、右から読んでも左から読んでも言葉の並びが同じになる文のことです。

「カツラが落下」とか「 ツル、わくわくワルツ」とか、子どもは回文が好きですよね。
数字でも、電話番号の「090」とか車のナンバーの「8008」などは回文にあたり、これを「回文数」と呼びます。

 

小さなお子様向けに、足し算で回文数を考えてみましょう。

こんな計算を授業や食卓で教えてあげてください。

まず、好きな2桁の数字を1つだけ決めます。「91」にしましょうか。

 

91にひっくり返した19を足します。 91+19=110

さらにひっくり返して足します。110+011=121

121は回文数です。

 

92+29はいきなり121、回文数です。

 

93+39=132

132+231=363 回文数

 

94+49=143

143+341=484 回文数

 

95+59=154

154+451=605 もう一度ひっくり返すと…

605+506=1111 回文数

 

96+69=165

165+561=726 もう一度ひっくり返すと…

726+627=1353 回文数ではありません。ではもう一度ひっくり返すと…

1353+3531=4884 回文数になりました。

 

97以降は、ご自分でお願いいたしますね。

1桁と2桁の数字は全て、このプロセスを繰り返すと最終的に回文数になりますよ。

ちなみに「89」は、24回繰り返してようやく13桁の回文数になります。

 

では、「よい作家に喝采よ」

また次回。

りんご塾代表

田邊 亨 (たなべ とおる)

滋賀県出身。ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、「りんご塾」として算数オリンピックに参戦し、毎年多数の受賞者を輩出している。長年の指導経験から、算数の早期教育の重要性や、算数好きな子どもを育てる家庭のあり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

りんご塾代表 田邊 亨(たなべ とおる)

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