脳科学コラム

数学的思考の基本「ゼロの概念」を身につける

数学的思考の基本「ゼロの概念」を身につける

くぼた式育児法では、「ゼロの概念」を重視しています。それは、算数において「ゼロの概念」はとても重要だから。古代ローマ数字に「ゼロの概念」はなく、その後「0」を含むアラビア数字表記になってから、掛け算や割り算から始まる様々な計算が可能になり、算数は急速的に進化しました。それほどに「ゼロ」は重要なのですね。なぜ算数かというと、算数力を鍛えて脳の前頭前野が働くようになると、論理的思考が磨かれるのはもちろん、社会性が生まれ、情緒や思いやりが育つからです。

子どもが10までとか100までとか数字を言えるようになっても、親が喜ぶのはまだ早いです。これは単なる暗唱で、数字の意味を理解しているわけではありません。重要なのは、算数力や数学的思考の基本が身についているかどうかです。

では、どのようにして、「ゼロの概念」を身につけていくのでしょうか。計算は1からではなく0から始めます。「0~9」をひとまとめにして、「1~10」とまとめないことです。妻のカヨ子はよく、0~9までを一組にしたカードを何組も作り、そのカードで遊びを工夫しました。電話番号やスポーツのスコアをまねて並べたり、足し算引き算をさせるうちに、子どもは「記号としての数」と「大きさの意味を持つ数」の存在を知ります。

また、「10数えるうちに〇〇してね」など時間内に行動を促すときは、「1、2、3~10」と数えるのではなく、「10、9、8~0」とカウントダウン方式で数えるのが効果的です。1から数字が始まるよりも、ゼロの概念が数字から入ってきやすいです。
「ゼロ」という抽象的な概念を、子どものうちに体得させておくことで得られる恩恵は計り知れません。ぜひ取り組んでみてください。

くぼたのうけん顧問

久保田 競 (くぼた きそう)

1932年大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士、脳科学者。東京大学医学部・同大大学院卒業。京都大教授、同研究所所長を歴任。2011年春、瑞宝中綬章を受賞。40年以上前から赤ちゃん育脳の意義を唱え続け、妻カヨ子氏とともに久保田式育児法を考案。「脳の発達に応じた教育」をいち早く提案している。

くぼたのうけん顧問 久保田 競(くぼた きそう)

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