脳科学コラム

カエルの子はカエル? アタマの良さは遺伝するのか 

「カエルの子はカエル」ということわざがあるように、一般的に子は親に似ると考えられています。一方、「トンビがタカを生む」ということわざもあり、平凡な親から優れた子どもが育つこともあります。前者と後者、どちらが正しいのでしょうか?

頭の良さは後天的な影響の方が大きい

知的障害児の遺伝子構造を調べると、X染色体に異常があることが多いです。そのため、知能は遺伝子に影響があると考えられてきました。しかし近年の研究により、頭が良くなる遺伝子はなく、頭の良さは先天的ではなく後天的なものの影響の方が大きいことがわかっています。

脳の中には、脳の記憶や空間学習能力に関わる働きを持つ「海馬」という領域があり、この海馬が大きいほど、記憶力がよくなります。海馬は遺伝子配列こそ両親から受け継ぎますが、遺伝子構造自体に個体差はほぼありません。つまり、知能は遺伝子で決まるものではないのです。

多様な経験が賢さを育てる

では、賢い子どもはいかにして賢くなるのでしょうか? 海馬の大きさは、細胞の数と細胞同士のつながりの多さによって決まります。そしてこれらは、幼児期にいかに栄養バランスの良い食事を与え、本の読み聞かせや外遊びなど、多様な経験をさせるかによって変わるのです。

ちなみに冒頭の質問の答えは、どちらも正解。何事も子は親に似ますし、一見平凡と思われる親が優秀な子どもを育てることも、十分に可能です。重要なのは、遺伝よりも環境。ぜひ、子どもを取り巻く環境を整えてあげてください。

 

子どもを取り巻く環境を整えるなら… 「くぼた式育児法」の導入がおすすめです。

くぼたのうけん顧問

久保田 競 (くぼた きそう)

1932年大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士、脳科学者。東京大学医学部・同大大学院卒業。京都大教授、同研究所所長を歴任。2011年春、瑞宝中綬章を受賞。40年以上前から赤ちゃん育脳の意義を唱え続け、妻カヨ子氏とともに久保田式育児法を考案。「脳の発達に応じた教育」をいち早く提案している。

くぼたのうけん顧問 久保田 競(くぼた きそう)

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