脳科学コラム

脳を鍛えてキレない人になる

最近、「肩がぶつかった」「子どもがうるさい」など、ささいなことで激しく怒り出し、キレる大人が増えたように感じます。脳科学的に見ると、キレる最大の原因は、脳の前頭前野の未発達です。

我慢や抑制を覚えさせる

前頭前野は、物事を考えて判断する場所。「思考する」「感情をコントロールする」「記憶する」「集中する」「コミュニケーションする」など、人間にとって重要な働きを担っているため、脳の最高中枢とも言えるでしょう。問題解決能力に秀でている人は、この前頭前野が発達しているため、腹が立つことがあっても冷静な判断を下せます。

よって、前頭前野を鍛えれば、キレない大人になるわけです。脳は使えば使うほどに発達しますが、逆に使わなければ発達しません。幼児期にきちんと我慢や抑制を覚えさせないと、前頭前野が未発達のまま大人になってしまいます。

ほめるなら「しなかったこと」

乳幼児期には、「NO-GO」の訓練が有効です。「NO-GO」とは「積極的になにかをしない」ことで、「GO」は「積極的に何かをすること」です。実は前頭前野は、この2つをうまく切り替えながら働いています。この切り替える訓練をすることで、前頭前野を発達させることができるのです。

「NO-GO」の訓練とは、「しなかったらほめる」ということ。例えば、子どもが壁に落書きをしたがるとき。その際、壁に描いてしまった落書きを「ダメ!」と叱るだけでなく、壁ではなく紙に書くように教えて、できたら「よくできたね!」「えらい!」とおおげさなくらいにほめます。「しない」ことに達成感と喜びを伴わせることで、「積極的に何かをしない」ことができるようになるのです。このように、積極的に何かをしないこと・することを同時に覚えさせる訓練は、ぜひ乳幼児期からしておきましょう。

喜怒哀楽を経験させる

また、赤ちゃんには喜怒哀楽を多く経験させることも大事です。その際に重要なのは、赤ちゃんの感情をわかってあげること、そしてそれを態度で示すことです。赤ちゃんが泣いているときは、「おむつが濡れている」「お腹がすいた」「ママが恋しい」など、泣き方によって訴えていることが違います。母親は、赤ちゃんの泣き方を注意深く観察し、その意図することを見抜くようにしましょう。

逆に、赤ちゃんが笑ったり喜んだりしているときは、同じように笑い、喜びましょう。そうすると、それが赤ちゃんにとっては快信号となり、母親が何を考えて何をしようとしているか、察するようになります。それが脳の発達につながり、賢い子ども・ひいては賢い大人へと成長していくのです。

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くぼたのうけん顧問

久保田 競 (くぼた きそう)

1932年大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士、脳科学者。東京大学医学部・同大大学院卒業。京都大教授、同研究所所長を歴任。2011年春、瑞宝中綬章を受賞。40年以上前から赤ちゃん育脳の意義を唱え続け、妻カヨ子氏とともに久保田式育児法を考案。「脳の発達に応じた教育」をいち早く提案している。

くぼたのうけん顧問 久保田 競(くぼた きそう)

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