教育コラム

指定校推薦で落ちる可能性はほとんどない? 落ちるケースや合格のポイントまで徹底解説!

指定校推薦で落ちる可能性は「ほぼない」

大学から指定された高校の生徒が出願資格を持つ「指定校推薦」。貴塾の生徒には、指定校推薦を狙っている生徒も通っていると思います。この指定校推薦で、不合格になることはあるのでしょうか。

結論から述べると、不合格になる確率は「ほぼ0%」です。ただし、指定校推薦の推薦数は限られているため、「校内推薦」というものが存在します。校内での志望者が多い場合は校内推薦が実施され、成績や課外活動が総合的に評価されるのです。この構内選考によって、落ちることはあります。また、問題行為を起こしたり、留年をしたりしてしまった場合も、落ちてしまいます。

本記事では、「指定校推薦」制度について改めて説明した上で、落ちるケースや合格のポイントを紹介します。

指定校推薦での大学受験を考えている生徒がいる塾経営者や講師の方は、ぜひ参考にしてください。

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「指定校推薦」とは

学校推薦型選抜は、大学が設定した成績基準(評定平均値)をクリアしている場合にのみ応募できる「公募制」と、大学が定めた指定校の生徒のみが出願することができる「指定校」の2つに分かれます。「指定校」は、大学が高校のこれまでの進学実績に応じて指定するため、自分が通っている高校が指定されていなければ、いくら成績が良くても出願する権利はありません。また、志望する生徒が多い場合は校内選考が行われます。指定校推薦は、大学側が選んだ優秀な高校から、さらにその大学に入学するにふさわしい生徒が選ばれるのです。

指定校推薦に落ちる=「校内選考」で落ちる

指定校推薦において、高校の中で選ばれた後に大学側から不合格とされる、つまり指定校推薦に落ちることは、よほどのことがない限りありません。指定校推薦では、募集枠に対して応募する受験生が多いと「校内選考」が行われます。募集枠は1つの高校から1~3人程度と少なく、出願条件も厳しいので、多くの生徒が応募すれば校内選考によって落ちることがあります。そのため、指定校推薦に落ちることはないですが、校内選考で落選した場合には、「指定校推薦に不合格になった・落ちた」とも言い換えられるのです。

「校内選考」で落ちるケース

校内選考で落ちるケースは、以下のとおりです。

  • ケース1:他の生徒よりも評定平均が低い
  • ケース2:志望理由が不明瞭である
  • ケース3:部活動・課外活動にあまり参加していない

ここからは、それぞれのケースについて解説していきます。

ケース1:他の生徒よりも評定平均が低い

校内選考の基準は高校によって異なり、審査過程や基準は非公開となっています。しかし、どの学校においても一番重要なのは、高校1年生からの評定平均です。高校としては今後も指定校にしてもらうために、優秀な生徒を大学に推薦する必要があるため、評定平均の高い生徒が指定校推薦の校内選考で合格するのは当然です。

ケース2:志望理由が不明瞭である

校内選考では、面接や志望理由書の提出も課されます。志望理由書は、指定校推薦の出願時に提出する書類であり、校内選考の合否の判断材料でもあります。面接・志望理由書ともに、大学に行きたい理由や学びたいこと、高校で頑張ったことなどをわかりやすく伝えることが大切です。

ケース3:部活動に参加していない・欠席や遅刻が多い

部活動や課外活動、出席日数や遅刻回数なども参考にされます。評定平均が同程度の生徒が同じ大学を志望している場合は比較対象となるため、おろそかにはできません。

「指定校推薦」で落ちるケース

指定校推薦で落ちることはほぼないとはいえ、以下のような場合には落ちてしまうことがあります。

  • ケース1:犯罪行為をした
  • ケース2:高校を留年して卒業できなかった
  • ケース3:指定校推薦のルールを理解していない
  • ケース4:校則を破る
  • ケース5:面接や小論文の出来が悪い

ここからは、それぞれのケースについて解説していきます。

ケース1:犯罪行為をした

指定校推薦で落ちるケースの1つ目は、犯罪行為をしてしまった場合です。高校生によく見られる犯罪行為には、以下が挙げられます。

  • 万引き
  • 傷害
  • 飲酒
  • 喫煙
  • 無免許運転
  • サイバー犯罪

日本では中高校生によるサイバー犯罪が増加しています。犯罪行為は取り返しがつかない行為です。気軽な気持ちでも、決してしないように高校生活を送りましょう。

ケース2:留年して卒業できなかった

指定校推薦で落ちるケースの2つ目は、高校を留年して卒業できない場合です。指定校推薦に出願する条件は「高校を卒業する(卒業見込である)こと」です。そのため、高校を留年して卒業できないことがわかった時点で、指定校推薦には落ちます。指定校推薦を利用する生徒は、高校生活をまじめに過ごして、必ず卒業しなければなりません。

ケース3:指定校推薦のルールを理解していない

指定校推薦で落ちるケースの3つ目は、指定校推薦のルールを理解していないことです。指定校推薦は「専願制」であり、指定校推薦で受験した大学以外は出願・受験できません。そのため、指定校推薦の面接で「他大学も受験します」「他大学が第一志望です」などと発言すると、落ちてしまう可能性があります。

受験前に指定校推薦のルールについて把握し、しっかり理解してから出願するようにしましょう。

ケース4:校則を破る

指定校推薦で落ちるケースの6つ目は、高校の校則を破った場合です。たとえば校則でバイトが禁止されているにも関わらずバイトをすると、指定校推薦に落ちる場合があります。他、髪色やピアスなど身だしなみに関する校則も、守るようにしてください。

ケース5:面接や小論文の出来が悪い

指定校推薦で落ちるケースの5つ目は、面接の態度があまりに悪かったり、小論文が白紙で合ったりする場合です。

  • あくびをする
  • 腕を組む
  • 足を組む
  • カジュアルすぎる格好をする
  • 言葉遣いが汚い
  • 敬語を使えない

個人の特性や人間性、大学進学への意欲など、学力以外の要素が確認されるのが面接です。上記のような態度を面接中に取ってしまうと、成績がどれだけ優秀でも不合格となる可能性があります。

また、白紙に近かったり、テーマとはまったく違う内容の小論文を出したりする場合も、不合格になる可能性があります。小論文とは、自分の主張を筋道立てて説明する文章のことです。論理的思考力や読解力だけではなく、国語力、教養、人間性などを総合的に測ることができるため、指定校推薦で小論文を課す大学も多くあります。指定校推薦の小論文では、テーマに沿った自分の考えをしっかりと記載しましょう。

「指定校推薦」を受けられないケース

指定校推薦は、誰もが受けられるわけではありません。以下のような場合は、指定校推薦を受けられません。

  • ケース1:指定校推薦の枠がない
  • ケース2:評定平均が足りない
  • ケース3:校内選考で落ちる

それぞれのケースについて解説するので、「指定校推薦をそもそも受けられない」ということがないようにしましょう。

ケース1:指定校推薦の枠がない

自分が通っている高校が指定されていなければ、いくら成績が良くても出願する権利はありません。貴塾に指定校推薦を検討する生徒がいる場合、担任に指定校推薦の枠について確認させましょう。

ケース2:評定平均が足りない

大学によって評定平均の基準はバラバラですが、5段階評価で最低でも4、上位校になると5を取らないと出願基準を満たせません。高校1年時から、好成績を保っていないと、出願できません。また、評定平均以外に、学校行事や部活動への参加も判断されることもあります。出願基準を事前に確認しておきましょう。

ケース3:校内選考で落ちる

校内選考の基準は高校によって異なりますが、どこも一番重要なのは高校1年生からの評定平均です。評定平均が基準を下回っている場合はもちろん、上回っていた場合でも、他にもその大学を志望する人がいると比較対象となり、落ちてしまう可能性があります。校内選考で落ちてしまうと、出願できません。その他、課外活動・部活動・出席日数なども参考にされることがあります。

「指定校推薦」で合格するためのポイント

指定校推薦で志望大学に合格するためには、以下のポイントを意識することが大切です。

  • ポイント1:定期テストでよい点数を取る
  • ポイント2:トラブル行為を起こさない
  • ポイント3:面接の練習を何度もする
  • ポイント4:小論文の練習をする

それぞれのポイントについて解説するので、指定校推薦を利用する生徒がいる場合は参考にしてください。

ポイント1:定期テストでよい点数を取る

指定校推薦で合格するために最も大切なのは、定期テストでよい点数を取ることです。出願資格となる評定平均は、高1の1学期から高3の1学期までに履修した科目の評定を合計し、科目数で割って算出します。高1の1学期から高3の1学期までに実施される定期テストは計12回で、うち5回が高1で実施されることを考えると、高2修了時では評定平均の8割は決定しています。したがって、推薦入試を狙う生徒は1年生のうちからの定期テスト対策をしっかりと行う必要があります。実技教科(体育・芸術・家庭)も評定平均に入ってくるので、全教科をまんべんなく学ぶことが大切です。また授業で積極的に発言したり、レポート・課題を期日までに出したりすることも重要です。

ポイント2:トラブル行為を起こさない

指定校推薦で合格するためのポイントの2つ目は、トラブル行為を起こさないことです。犯罪行為はもちろんですが、校則を破るような行動も避けるべきです。高校側は、推薦するなら品行方正な学生を選びます。そして、普段から先生と良好な関係を築き、好印象を与えておくことも大切です。

ポイント3:面接の練習を何度もする

指定校推薦では面接選考も行われるので、面接対策をしっかりすることも大切です。面接マナーを身につけるだけでなく、よく聞かれる質問にスムーズに答えられるように準備することが大切です。特に、志望理由や高校生活でがんばったことへの回答はしっかり準備しておきましょう。

ポイント4:小論文の対策をする

指定校推薦では小論文による選考も行われるので、小論文の対策も必要です。しかし、高校の授業で十分な小論文の対策を行うのは難しく、大学受験で合格するためには自己学習が必須となります。小論文の過去問を解いて、高校の先生や塾の講師など第三者に添削してもらうことをおすすめします。

指定校推薦に落ちたときは一般入試を検討する

指定校推薦の校内選考に落ちてしまった場合、一般入試に挑むことになります。入試スケジュール上、一般入試は指定校推薦入試が終わった後に実施されます。指定校推薦で合格できるか不安な生徒には、一般入試の対策も並行して行うことを検討させましょう。

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【まとめ】「指定校推薦」に落ちることはあるのか?

結論として、指定校推薦の校内選考を突破して、指定校推薦を大学に出願した時点で、よほどのことがない限り、「ほぼ100%の確率で合格」します。指定校推薦を考えている学生には、まずは指定校推薦の校内選考を確実に突破することを目標に、学習計画を立てさせましょう。また、校内選考の基準は大変高いため、一般入試対策も並行して行っていくことをお勧めします。

指定校推薦で合格するためには、トラブル行為をしないことはもちろん、高校1年生の時から好成績をキープし、面接・小論文の対策を行うことが大切です。貴塾で指定校推薦の対策が難しい場合は、「総合型・学校推薦型選抜対策映像講座」の導入を検討してみてください。

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