教育コラム

2025年世界大学ランキング発表!

 

2024年10月、Times Higher Education(THE)社より、2025年の「世界大学ランキング」が発表されました。「世界大学ランキング」は、2004年から発表されている、世界的に影響力の大きいランキングです。各大学のデータを「教育力」「研究環境」「研究の質」「国際性」「産業への貢献」という5分野で順位付けしています。今回は、115の国・地域の2,092校がランクインしました。

世界1位はオックスフォード大学

まず世界を見ていきましょう。1位はイギリスのオックスフォード大学で9年連続首位、2位はアメリカのマサチューセッツ工科大学、3位はハーバード大学でした。アジアからは、中国の清華大学と北京大学がランクイン。シンガポール国立大学も17位に入っています。

世界ランキングTOP20

順位(前回) 大学名(国)
1(同) オックスフォード大学(英)
2(3) マサチューセッツ工科大学(米)
3(4) ハーバード大学(米)
4(6) ブリンストン大学(米)
5(同) ケンブリッジ大学(英)
6(2) スタンフォード大学(米)
7(同) カリフォルニア工科大学(米)
8(9) カリフォルニア大学バークレー校(米)
9(8) インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
10(同) イェール大学(米)
11(同) チューリッヒ工科大学(スイス)
12(同) 清華大学(中国)
13(14) 北京大学(中国)
14(13) シカゴ大学
14(16) ペンシルバニア大学(米)
16(15) ジョンズ・ホプキンス大学(米)
17(19) シンガポール国立大学(シンガポール)
18(19) コロンビア大学(米)
18(同) カリフォルニア大学ロサンゼルス校(米)
20(同) コーネル大学(米)

日本のトップは変わらず東京大学

国内を見ると、日本からランクインしたのは119校。トップ1000に入った19校を見ると、私立4校、公立2校、ほかはすべて国立です。日本のトップは東京大学で、前年から1ランクアップの28位。2015年以降では最高順位となりました。続く京都大学は前年と同じ55位 、東北大学は10ランクアップの120位、大阪大学は13ランクアップの162位と、それぞれ順位を上げました。

しかしながら、トップ5以下114校のうち順位を上げたのは2校のみで、29校はランクダウンという結果でした。THEはその最大の要因として、「研究の質」分野のスコアが他国を大きく下回っていることを挙げています。一方、「学生に対する教員比率」「特許に引用された論文数」の指標は評価されました。

日本国内ランキングTOP1000

順位(前回) 大学名
28(29) 東京大学
55(55) 京都大学
120(130) 東北大学
162(175) 大阪大学
195(191) 東京工業大学
201-250(同) 名古屋大学
301-350(同) 九州大学
351-400(同) 北海道大学
筑波大学
401-500(同) 東京医科歯科大学
601-800(同) 広島大学
順天堂大学(私)
慶應義塾大学(私)
神戸大学
会津大学(公)
801-1000(同) 岡山大学
東京医科大学(私)
早稲田大学(私)
801-1000(1001-1200) 和歌山県立医科大学(公)

米英がトップを占める中、アジア勢も躍進

ランキングの上位は相変わらず米英の大学が占めているものの、アジア勢も勢いを増しています。THEは、米英とも「教育力」「研究環境」分野の「評判調査」の指標が急速に低下していると指摘。「評判調査」とは大学の名声を図るもので、あらゆる学問分野の研究者を回答者として選出し、調査を行います。実際、トップ200のランクイン校数を4年前の2021年版と比べると、アメリカは59校から55校に減少し、イギリスも29校から25校となっています。逆に増えたのは中国で6校増の13校、日本も3校増えて5校となりました。2021年版以降、新たに加わった210大学のうち、アジアが60%を占めることになります。

日本の大学が抱える課題

日本の大学は、研究の質や学生数の減少、多様性の低さなど、複数の課題を抱えています。日本は、2023年で28万人いる外国人留学生を2033年までに40万人に増やすという目標を掲げていますが、国際的な人材を呼び込み、研究への国際的な影響力を高めることは容易ではありません。アジア、とりわけ中国が教育でもリードする中、日本の存在感をどう打ち出していくのか。高校・大学の抜本的な改革が求められています。

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