「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」の違いって?
2021年度入試(2021年4月入学)から、今まで「AO入試」「推薦入試」と呼ばれていた入試方式は、それぞれ「総合型選抜」「学校推薦型選抜」へと変わりました(筆記試験のみで合否を決める「一般入試」も、「一般選抜」に変更となります)。
特に志望校への現役合格を目指す受験生は、教科学力を評価する「一般選抜」と同様、合格の可能性を増やすために「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の受験も検討することが望ましいと言えます。
変更前 | 変更後 | 特徴 |
AO入試 | 総合型選抜 | 入学者枠に制限なし。 今までの活動実績や志望熱意が重要。 基礎学力も審査される。 |
推薦入試 (公募制・指定校) |
学校推薦型選抜 | 入学者枠が「定員の50%まで」という制約がある。 学校長の推薦書の提出が必須。 学校成績(評定平均)も重要。 |
総合型選抜
大学の入学管理局(Admissions Office)が掲げる「求める学生像・基準(アドミッション・ポリシー)」に合致した受験生を選抜します。受験生には、大学卒業後も見据えた目標である「将来のビジョン」と、そのビジョンに向けた「継続的な活動経験(≒活動実績)」が強く求められます。それらに加え、「個性」「(学部学科や仕事に対する)適性」「熱意」などを総合的に加味して合否を決定します。時間をかけて受験生を評価するため、5月頃から「(出願ではない)エントリー」を受け付けて出願前面談を実施したり、オープンキャンパスへの参加を出願要件としたりする大学も少なくありません。
受験生は、評定平均値・資格・活動実績などの大学が指定する出願要件をクリアしていれば自由に応募可能。選考は書類・面接・小論文での試験を中心に、大学によって教科試験やプレゼンテーション、グループディスカッションなどが課されることもあります。
加えて、今回の教育改革で『調査書等の出願書類だけでなく、(1)各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)、もしくは(2)「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか一つの活用』として「学力」の評価が必須化されていますので、募集要項は大学ごとにチェックする必要があります。
学校推薦型選抜
学校長の推薦を得て出願した受験生から選抜します。高校側の「基準を満たしているこの生徒を推薦します」という信用に基づいて出願するため、原則的には「専願(合格したら必ずその大学に進学する)」となります。
大きく、大学が設定した成績基準(評定平均値)をクリアしている場合にのみ応募できる「公募制」と、大学から特定の高校に与えられた「指定校枠」に対して校内選抜を通過することが必要な「指定校」の2つに分かれます。いずれにおいても出願要件で基本となるのは、高1~高3の1学期(2期制の場合は前期)までの学業成績に基づく「評定平均値」。全教科の評定平均を指定するところが多いですが、学部・学科によっては特定の教科の評定平均を求めることもあります。その他、「指定教科の履修」「外国語検定試験の級・スコア」「課外活動での実績」を指定するところもあります。選考は書類・面接・小論文での試験を中心に、大学・学部によって個別試験やプレゼンテーションなどが課されることもあり、教科学力を問われることも少なくありません。
加えて、「総合型選抜」と同様に今回の教育改革で『調査書等の出願書類だけでなく、(1)各大学が実施する評価方法等(例:小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等)、もしくは(2)「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか一つの活用』として「学力」の評価が必須化されるとともに、『推薦書において(1)本人の学習歴や活動歴を踏まえた「学力の3要素」に関する評価を記載すること、及び(2)大学が選抜でこれらを活用することのどちらも必須化』されており、「総合型選抜」よりも評価における学力の占める割合が高いと言えます。