教育コラム

知っていますか?「子どもの権利」

少子化が進む日本では、児童虐待通報は急増し、いじめや自殺、不登校など、子どもが生きづらい世の中になっています。子どもを守ることは喫緊の課題でありながら、日本には子どもの権利を守る基本の法律がありませんでした。その日本でもようやく、子どもの権利をうたった「こども基本法」の制定が、令和5年4月の公布を目指して進められています。

「子どもの権利条約」4つの柱

実は子どもの権利に関しては、「子どもの権利条約」という国際条約があります。子どもが一人の人間として基本的人権を所有し、行使する権利を保障するための条約で、大きく4種類に分類できます。

 

1. 生きる権利
すべての子どもの命が守られること
2.育つ権利
もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりすること
3.守られる権利
暴力や搾取、有害な労働などから守られること
4.参加する権利
自由に意見を表したり、団体を作ったりできること

3割の教員が子どもの権利をよく知らない

日本が1994年に子どもの本条約を批准した際、政府は現行法で子どもの権利は守られているとし、国内法の整備が行われませんでした。そのため、子どもの権利を保障する総合的な法律が存在しないのです。

また、国際NGOのセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが22年4月、教員を対象にした「子どもの権利」に関する認知度調査を行ったところ、「名前だけ知っている」「全く知らない」と答えた教員は合計で3割を占めました。教員による子どもの権利の認知度は、内容までよく知っている21.6%、内容について少し知っている48.5%、名前だけ知っている24.4%、全く知らない5.6%で、教員としての勤務年数が短いほど、子どもの権利を「名前だけ知っている」「全く知らない」と回答する割合が多くなりました。

教員による子どもの権利の認知度

出典:セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「学校生活と子どもの権利に関する教員向けアンケート」

教員ですら、子どもの権利を熟知していないという現状があります。「子ども基本法」の制定、そして私たち大人一人ひとりが子どもの権利を知り、健やかな成長を社会全体で見守るという在り方が問われています。

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