算数オリンピックが育むチカラ
日本数学オリンピックの登竜門
小学生・中学生の子どもたちが「算数」で思考力や独創性を競う大会です。世界的な数学者・広中平祐氏の提唱により、1992年から始まりました。当初は小学6年生をメインの対象とした「算数オリンピック」1種目のみでしたが、現在は対象となる学年も増え、5種目となりました。近年では、中国やタイなどのアジア諸国にも算数オリンピックの輪が広がるなど、世界的にも人気の大会となっています。
また、算数オリンピックは日本数学オリンピック参加選手の登竜門となっており、過去のメダリストにはその後国際数学オリンピックで活躍している方も多くいます。
【小学生対象】
種目名 | 開始年 | 対象 | 出題範囲 |
算数オリンピック | 1992年 | 小学6年生以下 | 小学5年生修了 |
ジュニア算数オリンピック | 1997年 | 小学5年生以下 | 小学4年生修了 |
算数オリンピック キッズBEE大会 | 2009年 | 小学1~3年生 | 四則演算および長方形の面積 |
【中学生対象】
種目名 | 開始年 | 対象 | 出題範囲 |
広中杯 全国中学生数学大会 | 2000年 | 中学3年生以下 | 中学3年生1学期修了 |
ジュニア広中杯 全国中学生数学大会 | 2004年 | 中学1、2年生 | 中学1年生修了 |
算数オリンピックに出場するには、まずはトライアル地区大会に出場する必要があります。トライアル地区大会は全国約200の会場で6月に開催され、7月に東京・大阪・福岡で開催されるファイナル大会に進出できるのは、それぞれ約150名。ファイナル大会には、他国からの代表者も参加します。
基本的にはすでに習っている範囲から出題されますが、算数オリンピックでは、公式の暗記だけでは解けない、本質的な力を問う問題が多く出題されます。例えば下記は、2006年算数オリンピック トライアル問題です。論理的思考力や柔軟な発想に加え、答えがすぐにわからなくても、多角的に考えて解を導き出す、最後まであきらめない精神力までもが求められます。
算数で身につく「思考力・判断力・表現力」
文科省は、新教育課程で身につけるべき学力として、3つの要素(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力(3)主体性・多様性・協調性を挙げています。小学校で学ぶ算数は、(2)の思考力・判断力・表現力を身につけるために大変重要です。算数オリンピックが求める能力は、まさにそれだと言っても過言ではないでしょう。しかし、算数オリンピックで正解を導くために必要な考え方や発想は、学校で教わるだけでは太刀打ちできません。
ファイナル大会の入賞者の多くは、算数オリンピック専門塾や対策コースがある塾に通うなどして、算数オリンピックの専門家による指導の元で対策をしています。当社が運営する「りんご塾」もそのひとつ。「りんご塾」で算数を学ぶことにより育まれる「論理的思考力」や「発想力」は、予測不能な未来を切り開いていくために必要な能力となります。また、算数オリンピックに向けて理系脳を鍛えておくことは、 中学受験の際にも大きなメリットとなり、中学受験準備をより強固なものとします。
このように、算数オリンピックを目指して学ぶことは多くのメリットがあります。敷居が高いと敬遠せず、ぜひ多くの子どもたちにチャレンジしてほしい大会です。