やる気対策④フィードバックの効果
生徒指導で必ず行いたい「フィードバック」
フィードバックとは、「目標を達成するために行動した結果やその評価について、行動した主体者に具体的な言葉で伝え、次の行動に反映させること」を意味します。フィードバックがあることで、行動の主体者は次の行動を調整したり改善したりすることができます。ビジネスシーンで多用される言葉ですが、学習塾や学校などでの生徒指導にも大変有効です。
目標設定にフィードバックが組み合わされた場合には、モチベーション効果はより高くなります。達成過程で生じた結果を具体的に開示し、目標達成に向けての改善策を考えることで、目標達成に向けたさまざまな効果が期待されるのです。
生徒に必要なのはフォードバックをくれる伴走者
受験のような目標達成に時間がかかる目標に対しては、特にパフォーマンス改善効果が高いです。受験勉強はマラソンのようなもの。ランナーが1人でペース配分をしながら走るのが難しいように、生徒が勉強をしながら自分の学習状況を把握することは容易ではありません。生徒には伴走者としてのコーチが必要なのです。適切なフィードバックは生徒に安心感を与え、学習意欲のパフォーマンス向上にもつながります。そう考えると、学習塾の役割は“勉強や受験のエキスパートであるスタッフによるフィードバックにある”と言っても過言ではないでしょう。
フィードバックは早い時期にタイムリーに行う
フィードバックは、行うタイミングも重要です。生徒が行動した後、できるだけ早いタイミングで実施するのがベストです。時間が空いてしまうと状況が変わったり、生徒の記憶も曖昧になったりするため、タイムリーに伝えることが重要です。また、目標に向けた早い時期に行う方が、遅い時期にフィードバックを与えられるよりも、最終的な学習効果は向上します。
生徒のモチベーションに関する悩みから勉強に対する不安まで、真摯に耳を傾け、的確なフィードバックを行いましょう。そうすることで、先生や講師との信頼関係を構築するとともに、生徒は目標に向けて勉強をやり抜くことができます。
目標設定×フィードバックで、 モチベーション効果はより高くなる
「城南医志塾」顧問医師
医師・医学博士・経営学修士(MD・Ph.D・MBA)
裵 英洙 (はい えいしゅ)
1972年奈良県生まれ。かつては外科医として胸部手術を中心とした診療に従事。現在は「ハイズ株式会社」代表取締役として勤務する傍ら、臨床医として医療現場に携わる。著書に「なぜ、一流の人は「疲れ」を翌日に持ち越さないのか」「医療職が部下を持ったら読む本」など多数。